20人目:10年後の高尾和成の場合
「高尾ちゃんでーす!!」
うぉぉぉぉぉお?
あれ?なんかいつもより大人っぽく見えて…。
「だって俺、10年後の高尾ちゃんだもーん」
な、なんだってぇぇぇっ!?
「むー、なんかワザとらしいのだよっ!」
ごめんなさい。
「なーんてな☆やばいうけるんだけどwwwwwwwwww」
通常通りの高尾ちゃんのようだ。
「wwwww……そりゃあ、俺は俺だからな。10年たってもそこは変わんねーよ」
高尾ちゃんのイケメン!あざと和成!!
「ブフォwwwwwwなにそれwwwwwwww」
「あざと和成wwwwwwww」
爆笑してらっしゃる…。
「wwwwwwwふへぇ…疲れたww」
そりゃあそんだけ笑えばね。
「ま、そうだけどwwww」
あ、この際だから高尾ちゃんにも聞くか…。
「ん?なになに?」
10年前の自分たちについてどう思う?
「あー…10年前ね」
「本当は大体のこと知ってるんじゃない?」
「真ちゃんあたりに聞いてさっ」
なぜバレた。
「わかるよ。だってさっき、俺に"も"って言っただろ?」
あっ……。
「ふふっ…高尾ちゃんは誤魔化せないのだよー」
…そうですね。
「それにしても10年前ねー…?」
「あのときも真ちゃんのこと好きだったけど、真ちゃんの将来のためを思って気持ち伝えなかったんだよなー…」
そうなの?
「うん。だってあいついいとこの坊ちゃんみたいだったし、将来も期待されてる息子の恋人が男です。なんて社会から見て軽蔑されるじゃん?」
「そんなことで緑間に傷付いてほしくないしな」
……。
「だけど、あいつが言ったんだよ」
「自分のことをどう思われるよりも、俺が離れていくことの方が辛いって」
「あの我がままなツンデレエース様がだよ…?」
「それだけで幸せだったな…なのに付き合おうだもん……」
「嬉し過ぎて、胸が苦しくなって…っ、死にそうになった」
…そっか。
「うん…。なんかごめんね?しんみりしちゃった…」
「でも、だからこそ…っ、10年前の俺には、素直に真ちゃんに好きだって伝えてほしいんだっ…!」
「俺の場合5年も待たせちゃったし…」
あぁ…それは、聞いた。
辛そうだった、緑間。
「本当ごめんね?真ちゃん」
「それと10年前の俺へ」
「誕生日おめでとう!いい誕生日にしてね?」
「じゃないと…本当の幸せは5年先だよ?」
だ、そうですよ現在の高尾ちゃん。
大丈夫。君ならできるよ。
だって、こんなにもたんさんの人から愛されてるんだ。
だから勇気を出して伝えてごらん?
きっとその願いは果たされるから…。
(誕生日まであと1日)
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