15人目:中谷仁亮の場合
「ん?なんだね?」
「ふむ、高尾か。そうだねー…」
なんかこの人って、親戚の伯父さんって感じだよな。
監督ってよりは現国の先生みたいな。
本当は英語らしいけど…。
「高尾はいつも楽しそうだね」
「それに部員の雰囲気もよく考えてるみたいだしね」
「だけど、あの態度は私にもはいけないね」
へ?
「私のことをマー坊とふざけて呼ぶのもいけないね」
「まぁ、高尾は…そうだね……可愛い息子みたいな存在だから…」
「緑間には簡単にあげないよ」
あ、はい。
そうですね。あんな緑虫に天使はあげられませんよね。
「そうだね」
「それで?」
はい?
「それだけじゃないのだろう?」
あっ、そうでした。
実はですね…これをお願いしたいんです…!
「ふむ、誕生日か」
「そうだね。たまには甘やかしてあげてもいいか…」
お願いします!
「あー…こほん。高尾、誕生日おめでとう」
「今日くらいはマー坊と言うのを許してあげよう」
わぁ!
「ただし」
「明日は練習は倍だな」
実は鬼だったとは…。
(誕生日まであと6日)
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