それはまるで甘味のように甘い

これは一体どういう状況でしょうか・・・?
真ちゃんの部屋に着いた途端、真ちゃんが、あのいつもツンデレでわがままな真ちゃんが。
俺を抱きしめて離さないんですけどっ!

「真ちゃん…?ど、どしたの…?」

真ちゃんの膝の上に乗せられ、正面から抱きしめられたまま聞いた。

「どうしたとは何だ。何かおかしいか?」

どう見てもおかしいでしょーがっ!!
いつもならこんなことしないのにまじどうしたの!?

「真ちゃん…変な物でも食べた?」
「そんなことするわけないのだよ」

で、ですよねー…。
じゃあ何で?…そうかっ。これは夢か。

「高尾。なぜこっちを向かないのだよ」
「っ!」

ちょっ!真ちゃん!!いきなり顎掴まないでよ!

「高尾。目を逸らすな」
「はぅっ…」

真ちゃんはそう言うと俺の頬に手を当てた。
その表情がいつもの無表情とは違って優しい表情をしていた。


「っ!////////」


反則だよ、真、ちゃん。
そんな顔するなんて。

「高尾…」

そのまま頬を撫でるように撫でつけられる。

「真、ちゃん//////」

そんな顔で柔らかい声で俺を呼ばないよ…俺…。

「何だ?」
「うぅ…もうっ…もっと、もっと、触って?真、ちゃん…」
「ふっ、任せるのだよ」

そう言って真ちゃんは俺の首筋に顔を埋めた。

「んっ、擽ったいよ、ひゃっ!」
「高尾…もっとお前の声を聞かせろ」

きっとキスマークを付けられた。ピリッとした痛みが発したから。
真ちゃんはそのまま俺の首筋を舐めた。

「んんっ、はうっ…ひあっ」

無意識のうちに逃げ腰になる俺を抱きしめて離れないよう腰に腕を回される。

「ひゃっ、あん…しん、ちゃん、やぁ…離してっ」
「嫌なのだよ。今日はお前を甘やかすと決めているのだよ」

これ甘やかすと違うんですけど。

「まっ、待って、しん、ちゃ…あうっ」
「…何だ?」

はーっ、やっとやめてもらえた。

「あのね、甘やかすってこういうことじゃないんだけど」
「だが、こうすると喜ぶと言っていたぞ?」

なんか誰か思いつくけど一応…。

「誰が?」
「青峰だが」

あのエロ魔人…真ちゃんになんてこと教えてんだよ!

「嫌だったか…?」

うっ、そんな不安そうに見ないでよ。

「真ちゃんに触ってもらえて嬉しかったけど、俺はもっと普通にして欲しいよ」
「そうか…では」
「うわっ!」

真ちゃんに腕を引かれるまま後ろにあったベッドに倒れこんだ。

「っ!!あっ、真ちゃん大丈夫!?」
「お前一人の体重など大丈夫なのだよ」

それは男として複雑なんですが…。

「そっか、なら良かった…?」
「あぁ。それと俺流に甘やかすと言ったこうするのだよ」
「…ふぇっ?」

ベッドに横になったまま正面から抱きしめられた。

「こうした方がお前の顔がはっきり見える」

俺の髪を梳きながら笑いかける真ちゃんはかっこよかった。

「///////それは、良かった、ですね…」

最後の方は小声になったけど真ちゃんには聞こえていたようで、

「あぁ。これが幸せというものなのだろうな」

俺も、俺も幸せだよ、真ちゃん。
そう思いながら一日中真ちゃんの腕の中で過ごしました。

[幸せ]


→あとがき


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