特別上忍試験




マリンと我愛羅が離れてから10年が経った。


15歳になった我愛羅は
中忍試験のために訪れていた木の葉の里を
1人で歩き回っていた。
歩きまわってもう3時間になるが、
目的の人物は見つからない。
首元のネックレスをぎゅっと掴んだ。
明日は中忍試験の二次試験があるので
仕方なく宿へと帰っていった。





「全員終了しましたので、
これにて解散」

大波乱だった二次試験が終了し、
ぞろぞろと人が会場から退出して行く。

「あぁーー疲れたってばよ。」

「ほら、早く行くわよナルト」

「待ってってば、サクラちゃん〜」

「ほーら、お前ら、早く出ないと
次に控えてる子がいるから〜」

「ん?次ってなんだってばよ?
なんかあんのか?」

「ああ、特別上忍試験がな」

「「「特別上忍試験???」」」

「なんだってばよ?それ?」


そんなことを話してると入り口からは
ぞろぞろと人が入ってくる。

「みんな有名な上忍じゃねぇかよ。
一体なにが始まるってんだ」

「お前達にゃ、刺激が強すぎるだろうよ。
ほら、早く帰った帰った〜」

「ええ!気になるってばよ!」

「だーめ。絶対だーめ。
俺はいいけど、お前らはだーめ。」





「我愛羅、特別上忍試験だとよ、見ていくか?」

カカシたちの会話が聞こえたカンクロウが
我愛羅に声を掛けるが
我愛羅は振り向くこと無く
興味ない。
とバッサリ切り捨て会場を後にしようとした。

「カカシ先生だけずるいってばよー!
てか、そもそも特別上忍ってなんだってばよ?」

「ん〜、忍のランクの最上級?
まぁ、俺よりは遥かに上だね。」

「「「は???」」」

「木の葉にそんなやつがいるのか?」

「そりゃ、もちろん。俺の最愛の…
『こーんにちは〜!!』マリン〜!!」

「「「マリン!!??」」」

「あああぁぁ!マリンお前!
なんでこんな所にいるんだってばよ!?」

『おぉ!ナルト!やっほー!!』

笑顔で手を振るマリンに
会場にいた全男子が顔を赤くした。

(美しい!)
(可愛い!)
(いい身体!!)

「マリン〜!!怪我しちゃダメよ〜ん」

『はーい!!』

笑顔でカカシに手を振るマリンと
手を振るたびにタユタユと揺れる
マリンの大きな胸に鼻血を出す者もいた。

「全員揃いましたね。
傍観者は構いませんが安全の保証はありません。」

『あー、それに関しては大丈夫です。
結界を張りました。
お兄ちゃんも、せっかく残ってくれたからね!』

お兄ちゃん見ててねー!!
と手を振りながらぴょんぴょんジャンプするマリン。
ああ、可愛い。全男子の心の声がハモる。

「それでは、始めます。
100人を戦闘不能にした時点で合格とします。」

大勢の上忍が一斉にマリンを取り囲んだ


?????

予想外の展開に
傍観席は唖然とした。

「…なぁ、カカシ先生、あれってば
どういう事だってばよ?」

ナルトが声を強ばらせて囁いた。

「ん?見りゃー分かるでしよ、
上忍100人対マリンだよ」

「「「はぁぁぁ???」」」

「始め!!!」

スっとマリンが手を上げた瞬間
マリンに向かっていった100人の動きが止まった。

「な、なんだ!?」
「動かない!!」「幻術か!?」
「いや違う!でも術が出せない」

上忍100人はパニック状態だ。

「な、なんだってばよ?」

「我が妹ながら恐ろしいねー」

『試験官さん、すみません!
ちゃんと治すので、
ちょっと床バラバラにしちゃいます!
ごめんなさいー!!』

ドン!!っとマリンが勢い良く
床を殴ると瓦礫が次々に浮かび上がり、
今では床は原型を留めていない。

「なんだ…ありゃ、」
「ちょ、超能力かよ!??」

ゴゴゴゴ、と凄まじい音と
地響きが起こった次の瞬間、
地面から勢い良くマグマが
吹き出し辺りを真っ赤に染めた。
観覧席からは何が起こったのかさっぱりである。


「マリンさん、合格です」

試験官の声が響いた。


視界が晴れた頃には、
何ともなかったかのように
元に戻った会場と
あちこちで気絶している上忍と
『お疲れ様でした!』と笑顔のマリンが見えた。

「驚いたね、皆気絶してるだけで無傷だ。」

「な、な!何が起こったんだってばよ!?」

「恐らくマグマを一気に出して
短時間相手の周りの酸素を無くした。
そして、100人に一過性の酸欠、気絶を起こさせた。
相手を無傷のまま、
しかも一瞬で勝敗をつけちゃったんだね〜
さすがマリン、」

「…あいつ、本当に俺らと同い年か?」


マリンが倒れた上忍達に向かって
手をかざすと、次々と意識を取り戻し、
100人はポカンと周りを見渡していた。

『ありがとうございました!』

ぺこりと頭を下げるとマリンは
『おじいちゃんに報告してくるー!』
と会場を立ち去った。





【テマリ&カンクロウside】


テマリとカンクロウは
必死に考えた。

我愛羅が
特別上忍試験を興味ないと
一刀両断したので、
このまま宿に直行かと思いきや、
会場にマリンという女が
入ってきたのを目にしてから
我愛羅がピクリとも動かなくなった。
いくら呼びかけても
一切反応を示さないのだ。
だが、目線は確実に彼女を捉えている。
驚く事に勝敗は一瞬で決まり、
嵐のように去っていく彼女を
我愛羅はマッハで追って行ったのだ。


「まさか!」「我愛羅!」

「「あの女、殺される(じゃん)!!」」





その頃マリンはヒルゼンの元へ向かっていた。

『ねぇねぇ、神龍ー、
特別上忍って何するんだろー?
地球外生命体の調査とかかな?』

(それはないと思うが。そんな事よりだ、
マリンよ…凄いスピードで
こちらに向かって来るものがいる)

『…うん、実は私も感じてた。
あ、まさか、さっき、床のどこかを
壊したまま出てきちゃって
怒った掃除のオバチャンが攻めてくる展開かな!?』

(…いや、このチャクラは明らかに)

ザッ!と目の前に相手が姿を表す。
マリンは相手の姿を見る前に
土下座をかました。


『申し訳ありませんでした!!』




 

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