刃のついた鈍器が、私に狙いを定めていた。
「にーい、」
「馬鹿、さっさと逃げろ!」
頭一つ飛び越えた向こうで戦ってる師匠は、珍しく声を荒らげた。と言っても、知り合って一ヶ月しか経っていないのだが。
アクマは、私を見下して笑っていた。
「いーち、」
「おい馬鹿、動け!」
その牙を剥く姿を見て、私は純粋に「恐い」と思った。今はただ、死ぬことが恐ろしい。
人間はあの鋭い凶器にやられたのだろうか。どんな惨状になっただろう、もしかして、自分も同じ憂き目に遭うのだろうか。
「
ッ死にたいのかこの馬鹿!」
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