元帥に昇格してから、ずっといらないと言っていたのに今回強制的に弟子を取らされる。実年齢的には七歳年下の四十四歳。教師をしていたという男だった。

「貴方が、私の師匠? 随分と若いな」
「おい貴様これでも俺は五十一だぞ」
「え、どう見ても二十代前半……」

これでも気にしてるんだから言うなよ! しょうがないだろ不老不死なんだし! 俺の所為じゃないし!

室長は俺達を引き合わせるとどうでもいいと言わんばかりにしっしと追い払った。半年ほど前にサプライズパーティーで還暦を祝ったのは記憶に新しい。
五年前、今の室長が赴任してきてから格段にやりやすくなった。無理な任務を押し付けることも無くなったし、出来うる限り“あの”実験も回数を減らしているらしい。だが俺にだけ喧嘩を売ってくるのはどうにかならないものか。解せぬ。

「だっから! 俺は弟子なんて取らないって言っただろ糞爺!」
「爺じゃないわこの不老不死め」
「……あの、私はどうすれば、」

中々現実って奴は思い通りにならないが、見たところ従順そうな奴だったのでよしとする。
兎も角、俺と奴は「互いを知るため」と称してしばらく行動を共にすることになったのだった。

  
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