門番の大声に貴重な睡眠を妨害された。あいつの声は意外とデカイからたまったもんじゃない。

「で? 話って何だコムイ」

起きた途端ゴーレムの通信でお呼ばれした俺は司令室に来ていた。眠い。

「いつになく不機嫌っすよ室長……」
「聞こえてるぞリーバー」

別に怒ってるわけじゃない。眠いんだよ。

「え、ええとね、新しいエクソシストが来たんだ」

このこ、と言われてちらりと見ると、そこには逆ペンタクルの呪いが掛かった少年がいた。

……そういえば、数年前にクロスから何故か写真だけ郵送されて来たな。白髪の誰かだけが写っていたからなんぞと思ったんだがまさか。

「……もしかして、クロスの弟子か?」
「え、あ、そうです。アレン・ウォーカーって言います」
「俺はクリス・アスフォード、元帥だ」

当たり前のように右手を差し出されて、俺も右手を出して握手した。良い子だなぁ、誰かさんと違って!

「で?」
「うん、それだけだよ」

はあ? と思わず声を漏らすと、びくびくしながらコムイは頷いた。

俺の貴重な睡眠時間はどうやらクロスの弟子に奪われたらしい。嗚呼、何時だって奴は俺を見下すんだからしょうもない! 年上を敬え!

とりま寝よう、と俺は決意して司令室のドアノブを握ると、ふと気付いてもう一度振り向いた。

「寝る。おやすみ、アレン」

  
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