「ゲームセットアンドマッチ立海、6-2」



正直もう少し掛かると思ってた。審判がコールすると、真田と柳は相手が呆然としているのも気にしないで軽く頭を下げてコートを出る。周りは異常なほどざわめいていた。

D1は今ほど時間は掛からないと思うので、とりあえず俺はドリンクを一口飲むとラケットを持ってその場を離れた。



「幸村、手伝うぜよ」



適当な壁を見繕っていると、不意に誰かが俺の肩を叩いた。語尾に特徴が有りすぎてバレバレだ。一瞬苦虫を噛んだような顔になったのを察して欲しい。



「……仁王」

「そんな嫌そうな顔しないで欲しいのう。アップ位手伝わせてくれてもええじゃろ?」



仁王は軽く笑う。コートの周りは、相変わらずざわめいていた。
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