それはラッキーじゃなくて、君の実力じゃないか。 試合を見ていてまず思ったのがそれだった。確かに運はあるけど、それに頼らずとも勝てる程の実力を持っているだろう。まあそんな試合見せられても、俺の一度下がりきったテンションが急激に上昇して突然ハイになったりはしない訳で。 「幸村君! 勝ってきたよー!」 「(ウザい……)」 こうなるのだった。うん、別に千石を貶してるんじゃなくて、俺のメンタルの問題だな。真田にはよくいわれるけど、どちらかと言うと自分を貶めているらしい。でも俺は別にMだという訳じゃない。 でも別に二回戦で千石と戦うことが決まった訳じゃないんだなこれが。俺は(ビッグマウスだが)ふふんと彼に向けて笑った。 「ま、誰と当たっても勝つ自信はあるけどね」 「さっすが幸村君カッコいい!」 丸井の賛辞にも慣れてきた今日この頃である。 |