「よし、これでいいんだよね」

「おん、ありがとうぜよ」



見た目と口調はアレだが良い子だ。礼儀正しい。

嬉しそうにスキップしながら去った仁王を見送ると、俺はふと真田の方を向いた。



「真田、誕生日プレゼント何がいい?」

「何故今聞くのだ?」



ああ、ニブいなぁ。まあいいや。気付かないんならそれはそれで。

そう思いつつ、俺は密かに溜息を吐いた。また、機会を逃してしまった。
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