準決勝から二日後の今日も今日とて真田は甲斐甲斐しく迎えに来る。前科があるから迎えに来るのか、それとも別の理由があるのか。どうやら彼の家から俺の家まで一駅分の距離だが朝早くから歩いてきているらしく若干の汗をかいていた。



「…真田、また来たの」

「む、俺が迎えに来て何か不都合でもあるのか」

「いや無いけどさ」



開き直ったようにも、はたまた俺をおちょくっているようにも聞こえる真田の発言だが、そもそも彼におそらく悪気は無いから怒る気も失せる。理由をいくら聞いても喋ってくれないのは真田の性格上分かりきっているがしかし、俺にも言えないような理由なんだろうか…? 謎は深まるばかりだ。
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