い (2/3)
「(ちょっと力込めただけなのに弱すぎだろ近藤さん…!)」

実際は一般人なら心臓が止まっても可笑しくないレベルである。

放置するのもどうかと思った私は、怪しまれないように昏睡した近藤さんを背負って屯所まで送り届けた。丁度大きな捕り物が終わり、帰ってきた直後らしく玄関辺りに近藤さんや山崎さんが居る。何でこの人達は真面目に仕事していたのに近藤さんはストーカーしていたのだろうか。警察仕事しろよ。通りで、前世で私が捕まらなかったわけだ。

「あ、あの土方さん」
「…ん? 眼鏡がこんな時間に何の用……って近藤さんんんん?!」
「(よくこの背格好で背負えたなぁ…)」

いつものように姉上をストーカーしていたんで成敗しました、と伝えると、二人は何故か慄きつつも謝ってくれたので許す。二人限定だけど。上司が残念なだけで良い人達だ。うん。

「そうだ、近藤さんに伝えておいてくれますか?」
「ん、何だ?」

私にしては珍しく、意識して笑顔を作る。

「また姉上ストーカーしたら、(自主規制)して(自主規制)して(自主規制)すんぞこのド変態」


あなたは夢の見過ぎです
背後に修羅が見える? まさか、そんなこと無いでしょう