結局気持ち悪くなって謙也くんに東京タワーの下で土下座された。だからやめてっていったのに。 そろそろ真剣に周りの目線が痛いので止めてもらいたい。 「ほんますまん……!」 「ほんまに謝る気があるんならさっさと立ったらどうなん? 自分めっちゃ目立っとるで」 俺がそう言うと、謙也くんは慌てて立ち上がった。視線から開放されて一瞬安堵するが、謙也くんがあまりにも不安そうな顔をするので俺は苦笑した。 「別に気にせんでええよ。言ってなかった俺が悪いんや」 「白石……」 「ほな皆待たせとるし、行こか」 安心させるように笑うと、謙也くんはつかつかと俺に歩み寄った。 |