大阪に帰って、久しぶりの自室に佇むと、今まで俺はテニスにおいて何をしていたのかと考えてしまった。努力が足りなかったんじゃないか、部長としてちゃんと皆を導くことが出来ていなかったんじゃないか。そういった、今まで皆の前で意地を張って、口には出せなかった後悔に襲われた。

何故同じ年頃の人達に勝つことさえ出来ないのだろう。何の為に私は居るのか。今回は笑ってしまうほど、俺は何も出来やしなかった。立海に勝つことも、そもそも試合に出ることさえも。オーダーを変えていればもしかしたら未来はあったかもしれない。



「…所詮、無いものねだりってか」



一週間後から学校が始まる。部活に出たくないと考えることは、負けたことからの逃げなのだろうか。皆にとっては趣味の一環だったのかもしれないけれど、少なくとも俺にとっては自分が居る意味でもあったんだ。来年もあるとは分かっているけれど、そう簡単に気持ちは切り替えられない。

幸村君に貰った紙の皺を伸ばして机の上に飾る。俺は未だに送ることが出来なかった。
| |
- ナノ -