謙也くんはかなり、嘘の吐けない性格だ。正直なところ、俺は嘘も方便な人なのだが、彼はどうやら吐いても顔に出るというか、態度に出るというか。兎も角、謙也くんが何かを隠そうとしていることは確かだ。 隣の小石川は、少し呆れたように謙也くんを見ていた。誰の目から見てもバレバレだってよ謙也くん! 「それにしても遅かったなぁ」 「え、ああ、センセがうるさくてな」 「へえ」 一度納得したように頷く俺を見て謙也くんは安堵してほっと息をはいた。 でも残念、俺に嘘吐いたからには全部吐くまで許してあげないもんね! 目指せ一本釣り! |