*最近テイルズが熱くて長編更新がままならないので昔書いた駄文を掘り起こしてみた
これの続き

「こんなところまでいらっしゃるなんて、どうやらマクスウェルも大層暇人のようだね」
ファイザバード沼野には雨が降っていた。天気予報によると丸一日降り続けるらしい。鬱陶しく纏わりつく髪の毛に悪態を吐くと、ユラは杖の先を丁度崖下に見えるマクスウェル一行に向けて静かに笑った。
彼の後ろには綺麗に整列した兵が並んでいる。その様は圧巻であるが正直なところ、そんなことに気を使うよりも他にするべき事は在るのではないかとユラは思う。密かに息をつくと、隣の副師団長は揶揄するかのように眉を上げた。
彼は半回転すると目を閉じ、大きく息を吸った。
「目標はラ・シュガル軍参謀副長ジランドの首、及び“クルスニクの槍”と呼ばれる巨大兵器への到達、奪還」
彼は、言うと勢い良く目を開き、不遜に笑う。
「いけ、君達の全てを護る為に」
ユラは、自分が駒として動かされることは好きではなかったが、この戦争の匂い、空気は好きだった。ぞくぞくする程の、希望を求める人の本心が垣間見える。戦場を駆け巡る感情の全ては兵士一人一人のエゴだ、と何時だったかガイアスが呟いていたが同時にこうも言っていた。――お前はさしずめ、北極星の様だ、と。その意味は未だ解らないままだが。
高揚している兵たちを見てユラは、もう一度振り返る。一歩間違えば背後から刺し殺される世界に彼は既に身を置いていた。

***

これのデータの最終更新日が2011年12月でした。飽きるの早いわ
タイトルがPole Starで北極星でした。実はミラ=マクスウェルになる筈だった素体だったけど、マクスウェルとして相応しい霊力野だけを求めていた反動なのか、闇属性の術しか使えないというよくわからない設定だった
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『TOX男主-2』2013/03/28 Thu 17:41
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