「名前は無いよ。ただのナナシ、通行人Dだ」 *レイトン教授シリーズ/アプリコットの憂鬱 夢小説とかって名前入れなかったらたまにナナシとか出るじゃないですか。でもナナシさんなんて名前をつける親は居ないから自称ナナシさん。本名はとてもダサい。 性別不明の ものぐさでカーキ色のズボンとワイシャツにジャケットを羽織るだけ。いつも同じなのでいつも気付かれる。 「おや、また会いましたね。ええと、ナナシさん?」 「...Yes,どうやらまたご縁があったようだ、レイトン教授。今回はどんな事件なんです?」 もう家から出ないほうが身の為なのかもしれない。げげえと嫌そうな顔を隠さずに答えるが教授はいつもどおり英国紳士ぶりを発揮していた。彼がほら、ナナシさんにも説明を、と促せば律儀に、ルーク少年はその手帳を見せてくれた。 「今回は黄金の果実の捜索です」 「黄金の果実? なんじゃそりゃ」 「どうやらこちらの大富豪の未亡人であるサロメ夫人の遺産相続の条件らしく、私に依頼が来たのですが…」 そこで教授が不自然に言葉を濁すので思わず続きを、と促すと、彼は珍しくにやりと笑った。ああこれは、私を巻き込もうとしているな? 「そのお屋敷で、殺人事件が起こったんです」 「Oh, that was too bad.しかし本当に私も運が悪いようだ。そろそろオハライとやらに行かなければいけないかもしれないな」 もはや慣れたものだ。しかし今回こそはちゃんと旅行が出来ると思ったのだけれどどうやら間違いだったようだ。 comment?? blog top『レイトン教授で運が悪いナナシの話』2013/03/08 Fri 22:40 |