2/14と3/14のおはなし

迅悠一



※高校時代

「じゃじゃーん。バレンタインをあげ始めて早数年。ようやく未来視を脅かすチョコレートの渡し方を編み出してみたよ」
「普通に怖いんだけど」
「そういうのは怖がる顔をしてから言ってくれるかなあ」
「ハイハイ。ん〜?何これ。箱?」
「そそ。さあ悠一、高校生活最後のバレンタインはくじ引きでーす」
「うっわ。ちょっと待って。選択肢多くない?一気に増えたんだけど」
「30個用意してみた」
「なにそれ情報量多すぎ」
「さあ、引いてみて」
「待ってこれ……まさかとおもうけど全部真っ白?」
「よく視えました〜。実はその紙の中心に小っちゃくうっすく番号が書いてあるのでその番号の商品を差し上げます」
「最早バレンタインの趣旨変わってきてない?いやわかんな……あっ、何?番号の答えは紗希乃のスマホにしかないわけ?」
「悠一が引いた番号の商品を弓場ちゃんにLINEして照合してもらうの」
「待て、さらに選択肢増やすな」
「ちなみに言うと嵐山と柿崎には普通に渡してやれって断られたし、生駒はくじの商品提供者だからある意味共犯で、学校違う弓場ちゃんなら悠一も読み間違えるかなって予想」
「お前はどうしてこんな日に限っておれのこと打ち負かしたいわけ……?」



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