2/14と3/14のおはなし

鳥養繋心



※電話してる

「急に電話して悪いな吉川」
「鳥養君ひさしぶり〜…でもないな。ついこないだ会ったね」
「おう。つーか、あそこで会ってなかったら今日も電話してないだろ」
「そうかもしんないね」
「お前のばあちゃんから写真きた?」
「あっ、きたきた!いきなり鳥養君とのツーショ送られてきた」
「やっぱりな。悪用しねぇって言ったのに何やってんだあの婆さん」
「孫に送るのは悪用に入るのかな」
「どうしても待ち受けにしたいって言うから渋々撮ったんだけどよ」
「なぜうちのばーちゃんは孫のクラスメイトと接触イベント開催してんの?」
「被害者に聞くんじゃねぇよ」
「え〜まじか。ホーム画面にしてんだったらスクショしてもらおう。たぶんホーム画面とかの仕組みわかってないからたぶんできてない」
「すでに俺に設定するように頼んできたぞ」
「年寄りのくせに問題解決力が高い…こりゃ早々ボケないね……」
「しばらく安泰だな」
「ほんとにねぇ。そういや、電話なんてどうかした?」
「あー…いや。ちょっと聞きたいことがあって」
「なにー?」
「もう少ししたらバレー部の遠征で関東に行くんだけどよ」
「わざわざ関東でてくんの?大変じゃない?」
「金は実際やべえ」
「だろうねぇ。それで〜?」
「おー。いつもはさ、合宿相手の高校の先生たちと毎日飲むんだけど。新学期前でやること抱えながら合宿するもんだから、飲み会が初日だけなんだよ。吉川飲みに行かね?」
「えっ、何日?何日かによるシフト見なきゃ」
「3/26と3/27のどっちかだな」
「あ〜〜」
「……空いてねぇか」
「いや、空いてる。めちゃくちゃ空いてる。26が夜勤明けだわ」
「お。じゃあ27か?」
「いや、26日にしよ。どうせ夜まで練習でしょ。運動部は練習長いもんね」
「まあそうだけどよ。大丈夫か?」
「定時でそっこー帰って寝る。そんで夜はたくさん飲んで次の日たっぷり寝るから問題なし!」
「じゃあ26の夜な」
「おっけー。場所は?どこで合宿するの?」
「森然高校っつー埼玉の高校なんだけど」
「埼玉わからん……まあ、ちょっと近そうなとこ探してみるね」
「関東さっぱりだから頼んだ」
「埼玉わかんないって言ってんでしょ」
「関東は関東だろ」
「範囲広すぎ〜」
「まあ、俺もちょっとは調べてみる」
「よろしくー。奢ってくれる?」
「別にいいけど、どう考えてもお前のが稼いでんだろ」
「たぶん?まあ、それは冗談だよ」
「こないだのチョコのお返しくらいは奢ってやるよ」
「ん…?あ、今日ホワイトデーだね!なるほどね、鳥養君てば義理堅ーい!」
「うっせ。別にそのために連絡したんじゃねぇ」
「ふふ、ありがとね。会うの楽しみにしてるよ」



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