アイドルシリーズ

手紙ドロボウ
「桃ちゃーんお手紙読んだー?」
「えっ?お手紙??」
「届いてない?授業中に回したんだけどなあ」
「届いてないよ〜。どこかで止まっちゃったのかなあ」
「なんか最近こういうことあるよね…なんだろ席替えしてからだ」
「確かに…紗希乃ちゃんどっちに回した?」
「前の席の山田くんでしょ〜、それで、山田君が右隣の柏崎さんに渡すの見て、柏崎さんが前の人に……って、柏崎さんの前の席って青峰じゃない?」
「じゃあ、青峰くんでストップかかってるんだね!あーおみーねくーん!紗希乃ちゃんからの手紙止めないでよ〜」
「あ?これオレんだし」
「何言ってんの、わたし『Dear桃ちゃん』って書いたし!」
「うわっ、青峰くん何勝手に『Deerアオミネ』にしてんの?!」
「綴り違うし字が汚い!」
「うっせーよ。お前からさつきにやる手紙を溜めとけばお前がもっと有名人になったときに吉川紗希乃の文通相手でした(キリッ)って取材受けた時にできんだよ」
「ぷっ、文通とかいつの時代の人なの」
「大体青峰くんは手紙の中身見てるの?!ひどいよプライバシーの侵害だよ!」
「流石に中身は読んでねーよ。この手紙広げたら同じに折れねェもん」
「確かに青峰がいちごを折れるとは思えないね。折れるとしたらミドリンくらいだもんね!」
「とにかく返してよ青峰くん!」
「まーまー、桃ちゃん落ちつこ。青峰さんよ、その手紙をさ取材に持って行ったとして結果的に開くことになるわけだけど君は後悔しないのね?」
「有名人の友達で有名になれんだろ?イイじゃん」
「ふーん、じゃあこれを全国区いや、世界中に公開するのね?ぷぷ。」
「はあ?」
「開いてみなよ!」


『この前の買い物でお揃いで買ったミニスカートにぴったりなニットを見つけたんだ〜♪もうすぐセールがあるからその時に一緒に買いに行こ!だから、その時にミニスカ履いて集合ね!』


「ねえ、ミニスカ履・く・の?」
「んだよコレ!わざわざ授業中に回すモンじゃねーじゃん!普通に口で言えよ!」
「わあ紗希乃ちゃん買い物行こ行こー!!」
「やったー行こー♪でも、青峰が履けるサイズはないわー」
「残念だね紗希乃ちゃん…」
「履かねーよ!」
「あっでもセールで大きいサイズのお店もいい感じになるかもよ!」
「むしろコスプレ屋さんってセールあるのかな?!」
「ヤメロ!!!」




「今日も青峰くんはバカさ全開ですね…」
「いちごなんていつでも折れるだろう。確かめてから盗ればいいのだよ」
「君も頭は悪くないハズなんですけどね」


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