「なあ、黒子。さっきの…なんだっけ、あの女、」
「紗希乃さんです、火神くん。」
「そう、そいつ。あいつ、何なんだ?」
「アイドルです。」
「そういうことじゃねえよ。お前らの何なんだ?」
「友人です。」
「バスケ部だったのか?」
「彼女は仕事がありますから、部活には所属していません。たまに、今日みたいに仕事がオフの日は桃井さんの手伝いをしてくれました。」
「ただの友人にしちゃ、随分と執着してるじゃねーか」
「…べつに、恋愛感情があるわけではないですよ。それは他のみんなも同じです。ただ、…」
「ただ?」
「やっているものや目指すものは違っても、志が似ていた、それが僕らのつながりのひとつでした。」
「…」
「それはもう、バラバラになってしまいましたけれど」
「また近づきたいと思うと、彼女は言っていました。」
「ま、近づいていけるんじゃねーの?」
「そうですね、遠い道のりではないと思ってます。」
((「テツくん、あのね。またみんなでひとつのものを目指すのは叶わないけれど、同じものを楽しむ喜びは変わらないんだよ?」))
((「みんながいっしょにバスケができることを楽しみにしてるね」))