カタリーナは女の子。香水の香りと嘘を振りまいては馬鹿な男どもにキスをねだるの。彼女の言葉には中身もないけれど、誰かは魅了されたり、誰かは傷つけられた。彼女の言葉に中身がなかったように、彼女にとっては他の誰の言葉も心に響かなかった。キスすらも、本当は男どもを試しただけのことであった。


カタリーナは美しかった。本当は香水の香りも、嘘も、必要がなかった。だから、世の男は誰でも彼女を自分のものにしたがった。でも彼女は知っていた。それは男どもの虚栄であると。その為に自分は存在できているのだと。


カタリーナは男に会った。今まで出会った男の中で一番みすぼらしく、情けないような男だった。町の外れの通りで話しかけられたのだ。彼女は訊ねた。何の用事かしら、と。すると男はぎこちなく、とても悲しそうな顔だったから、とだけ答えた。その時不覚にも、彼女は恋に落ちてしまった。


カタリーナは、本当は誰よりもホントウの自分を知って欲しがった、普通の女の子だった。




20101002/カタリーナ=ペルレの物語

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