こわいもの

今日はベルとフランの任務の日。なのに予定の時間になってもフランはベルの部屋に来なかった。
ただでさえ雨が降っていてイライラしているベルの機嫌がもっと悪い方向へ傾き始めていた。


「王子待たせるとかありえねーっつーの。忘れてたとか言ったらサボテンにしてやろー。」

そんなことを言いながら、フランの部屋のドアを開ける。
すると、ベッドの上で布団の塊からフランが顔を出した。

「何の用ですかー?」


「おいカエル、お前今日オレと任務なんだけど。」

ベルが強い口調でフランに言った。

「あー、ミー今日は任務行かないんでー。」

「は?お前任務休む気?」

「はいー。」

「風邪でもひいたのか?」

「いやー違いますけどー…とりあえずミーは行きませんー。」

「ちょっと待てよ、休む理由は何なんだよ?」

「理由なんて何でもいいじゃないd

ピカッ ゴロゴロ
ズシャーン!!!!


ギャーー!!!


フランの声を遮るかのように、雷鳴が鳴り響いた。
かなりの音の大きさに、ベルは驚いたが、それ以上にフランの反応に驚いた。


「…もしかしてお前雷嫌い?っておい話聞けよ!」

フランは布団に包まって小刻みに震えていた。ベルの声は聞こえてないようだ。


(そんなに雷嫌いかよ…)

そう思いながらベッドに腰掛けて、もう一度聞いてみる。

「お前雷嫌いなの?」

ようやく気づいたフランはベルの方を向いた。


「ちょっと苦手なだけですー。」

「その反応はちょっとどころじゃないだろ。」

目に涙をいっぱいに溜めているフランはウ゛ァリアーの幹部とは思えない弱々しい顔つきをしていた。

「休む理由これかよ。」

「だから言いたくなかったんですよー。特にベル先輩には。」

「特にってなんだよ。」

「だって先輩絶対ちゃかすじゃないですかー。」

「まー…確かにな。」

未だにびくついているフランがどうしようもなくかわいく見えて、ベルはギュッと抱きしめた。

「オレが守ってやるから心配すんなって。」

そっと声をかけてやる

「いつもナイフ投げてくる人に守ってやるなんて言われても信用できませんー。」

そんなことを言いながらもベルの腕の中で大人しくしているフラン。


(毒舌さえ無ければかわいいやつなのになぁ)


スースー



「え?」

気づくとフランはベルの腕の中で眠っていた。


「ったく、しょーがねーなー。」


なんてことを言いながらも優しく頭(カエル)を撫でてやる。




そんなことをしているうちに、いつの間にか二人で眠っていた。










次の日、スクアーロにマジギレされたことは言うまでもない。










おまけ



(今思ったんですけどー、ウ゛ァリアーの雷の守護者が苦手なのはそのせいかもしれませんー。)

(いや、あいつのことは全人類共通で受付ないから。)
(あー、忘れてましたー。)


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