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 一緒にアイス食べようって一松兄さんが誘ってくれたから、一も二もなく頷いて屋根から部屋に飛んで戻った。齧るの禁止、ぺろぺろだけで食べんの。って、飴を噛み砕くクセがあるおれに一松兄さんは丁寧に言い聞かせる。じゃぁほら、今日は特別、ジャム入れてやるからそこから舐めるといいよ。言いながら一松兄さん、母さんが鍋とかに油塗る時使うあのやーらかい筆で真っ赤なジャムを白いアイスの上にボトボトと豪快に掻き出した。ねーねー、アイスってカラ松兄さんにしか見えないんだけど。
 大きなWの字になるように足を曲げて胸を突き出して、なんかプルプルしてる。右手は右足と、左手は左足と、縛られて腿ぱんぱんに張ってるけど大丈夫かな。フーフー鼻で息してて苦しそう。
 反り返った腹に落とされたイチゴジャムは、大家族向けの凄くでっかいお徳用のやつ。だから中味はほとんど水飴で、上澄みなんて液状になっててたらたら垂れちゃう。急いで舌で掬って丁寧に舐めとると張り詰めた体がばたんばたん暴れて舐め辛い。ぎゅっと押さえつけて、申し訳程度に混ぜ込んであるイチゴの粒々までキレーに舐めとる。んんんって唸るカラ松兄さんぽいアイス、目元にはぐるぐる巻きに布巻き付けられて目は見えないけど顔中真っ赤にしてフーフー鼻息が激しくなってる。おれが臍の中まで丹念に舐めとってる間、一松兄さんはすんげえぇぇ楽しそうに乳首にジャム塗りたくってた。安モンだからさぁ、ジャムでも塗らないと食えねんだよね、とか言いながら2つある乳首を交代ごうたい、ぬりぬり、ぬりぬり、どう見ても男の小さな乳輪周辺から、そこだけAV女優さんみたいにぷっくり膨らんで尖ったさきっちょまで、何度も何度もしつっこく往復させている。赤くて艶々したジャムがまとわりつく筆先の動きに合わせて、薄っすらと筋肉ののる胸板がヒクヒクと上下している。一松兄さんが肩に、おれが腹にのし掛かっているから、うごうごもがく体はろくに身じろぎもできない。ふうぅん、くぅん、大きく開けない口で必死に呼吸するカラ松兄さんアイス、喉奥を擦り合せるような音しか出せなくなってる。ふんふんうるさい鼻息は獣みたいなのに漏れてくる鳴き声は仔犬みたい。
 兄さんにいーい?と聞いて、はいよ、どーぞって言われるのを待って、今度は胸元にベタベタ塗り込まれたジャムを舌でぺろぺろ追っかけた。撥ねては押さえ付けられるアイス松兄さん、今度はぐりんぐりん体を捻って暴れるから脇腹や腋まで垂れてしまってた。一筋ずつ辿っていくとアイスの味がちゃんとする。腋の下は特に味が濃くて、そこばかりベロベロ、舌に力を入れて這わせて味わっていたら、ヒヒッて嗤う一松兄さんが嬉しそうにお客さん通だねって呟いた。うぅん、んんぅぅ、初めに比べたら随分小さくなった唸り声が泣いてるみたいに高くなってる。
 じゅうしまつう、こっちも舐めてやってよ、ヨーグルト味だよぉ。
 顔を上げたら、それこそいつも食べてる馴染んだサイズ、ピンクのチューペットが生えてた。ぴんと立った先っちょにくりくり筆を回し付けながら一松兄さんが手招きをする。まだ全部舐め取れなくてべたつく体に手を置きながらずりずり移動して、ピクピク跳ねるそれにも塗りたくられた赤いジャムをれろれろ舐め取る。丁度いい大きさだから口に咥えてずるると舐めしゃぶるとぶるんと飛び上がるみたいにおれの口の中で勝手に動いて、一松兄さん曰くのヨーグルトが打ち出された。甘いのとしょっぱいのと青臭いのと、全部まとめてべろべろ舐め取る頃には痙攣っぽいびくびくも収まってきて、思い出したようにぴくんと震えるだけになってた。一松兄さんは乳首に夢中で、おれがヨーグルトを何回かぴゅっぴゅさせてる間ずーっと乳首をねろねろチュパチュパしてた。そこあんまし味しなかったと思うけどいいのかな。おればっかりごめんねって思って兄さんこっちはいいのって聞いたらじゃあ交代しよっかって、ベトベトになって口元を拭ってにやりと笑った。あははぁ。食人嗜好の猟奇殺人犯面でっせ、にーさん。
 そんなレクター博士兄さんはチューペット通り越してそのまた下の方をぺろぺろし出した。あーそっちも味するかな。じゅぼじゅぼじゅるるってすごい音立てながら頭を股座に埋めてる。邪魔だったのか縛ってあった左手左足を解放して、腿に抱きつくようにしてじゅうじゅうと尻の穴に吸い付いている。一松兄さんが左腿を抱えたせいで横向きに項垂れている、その体のあちこちから伝い落ちていく汗をベタベタと一緒にキレイにしてあげようと張り切ってぺろぺろするとぐったり垂れていた体が跳ね上がってまた仔犬が鳴く。途切れがちな、鼻にかかった甘える時の小型犬みたいなそれが、頭の中の何かを引っかいてくる気がしてザワザワした。思いっきりひっ叩いた後にめちゃくちゃ撫でて甘やかしてやりたい。凶暴な情動に任せて鳴き声を漏らす口元のテープを力任せに引き剥がす。責めるような悲鳴が一瞬溢れたけれどそんなものに気をとられる間も惜しい、くんくん煩かった口を塞いで夢中で鳴き声を啜った。
今までで一番濃い味にうっとり柔らかな肉をちゅうちゅう吸い上げていたから、突然むしり取られて何が起きたかすぐには分からずにビックリした。唾液の垂れた顎までを袖口で拭い顔を上げると、一松兄さんが座椅子になっていてこれまたビックリした。
 ほら、アイスはやっぱり、棒に刺さってないとねぇ。一松兄さんもパンチング呼吸してる。おでこに汗がびっしり浮いて辛そうだったけどこれは極端に興奮しているせいだとおれはちゃんと知ってる。右側だけ縛られたままで歪な形のアイスも一松兄さんに串刺しにされてひゅうひゅう呼吸だけを繰り返してる。胡座をかくように足を引き寄せて座る一松兄さんは、上に乗せたそれなりの重量感のある体を支えて腰をゆさゆさ揺らしている。棒を刺されて悶えるその首の裏とか肩とかあちこちをちゅっちゅしながら、十四松、いいよ、おいでって言ってくれたから、安心しておれもまだあちこち残ったままのジャムを一所懸命啜りとる。しっとり吹き出した汗に塗れてどこもかしこも味がする。拭いきれていないジャムと全員分のヨーグルトは腹にべったりと跡を残して、まるで解剖された生き物の残骸みたいだった。おれと一松兄さんとで食い散らかしたカラ松兄さんの、裂いて中身をぶちまけた跡みたいだった。










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