Others | ナノ
※現代





 恩義ある相手に対して思うことじゃないが「呆気ない」と思った。あと「たわいもない」とかいう言葉が脳裏をよぎる。
 お日様の下で堂々開催できる競技なら二人は酷くいい勝負をするのだけれど、こういうことなら大人と赤子みたいなもんだ。
 目の前には片頬を手で隠してこんがり焼けた肌に音が出る勢いで血を昇らせている旦那。冬に入っても益々熱いね。何だか見ていられなくなって視線を外しちゃう。
 かたや夏生まれの癖に万年ひんやりした態度を崩さないクールなお人は口の端っこだけを持ち上げて笑った。凶悪そうな犬歯が覗く。この酷薄そうな薄いくちびるがその気になれば可愛らしいリップ音を出せるとよく分かったところで次に襲い来る音波の直撃を避けようと俺様は耳に指を突っ込んだ。

(破廉恥!)










×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -