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 常磐色と深緑の縞模様がご自慢、シフティとリフティ。

 いつも一緒。考えることも何かが閃く瞬間もお腹が空くタイミングも一緒。寄り添うより向き合うことが多いからか、足の組み方や咄嗟に上げる腕が互いに逆であるというのが最近自覚した癖だとか。同じものを見れば同じことを企むし同じ目に遭えば同じように動く。一緒にいるから同じように成ったのかどうか。同じようなものだから一緒に生まれて来たのかも分からない。

 世界からあの兎がいなくなれば稚気が抜けて淋しくなるだろう。真っ青なスカンクの消失は良心の欠損と等しく、水色をしたヘラジカが消えれば物語は始まらない。軍隊上がりのクマは行動力の塊として惨劇を演出する大切な人物、同じく盲目のモグラは冷徹な進行役として替えが利かない存在。

 でもアライグマは二人いる。

 大体何から何まで一緒の二人はどちらの何かが欠落しても補えるから気にも留めない留める必要がない。同じ意志で動く肉塊が二つに分かれているようなものだから。右手と左手のようなもの? いいえもっと近い、歯と唇、骨と肉のようなもの。うっかり外側の立場にまろびでた片方はもう片方が生き残るために犠牲になる、時もある。

 嗚呼。けれど残念至極。二人いるのに意味はない、哀しくも無駄なことには二人がいつも一緒である点。歯滅びて唇寒し。肉の剥げれば骨に命は宿らない。
 いつも一緒。
 二人きりは、
 一人と同じ!










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