冬期性素直症候群
テレビの声
ゆるく息を吐き続けるヒーター
二人ソファで寄り添って毛布の膝掛け
「あのさあ」
「何」
「泉がヒーターの温度いつもあんまり上げないのって、くっつきたいから?」
うん。
テレビ見ながら普通に答えた。
広い肩にしなだれかかって、毛布の下で手をつないで。
明朗な彼の体温と溶け合って、俺まで素直になってしまった。
「だってさ」
「うん。」
「冬ってそれ以外に、なんの利点があんだよ」
ごもっともです。
浜田が笑うから、見えない位置で俺も笑った。
― YOU SOMETIMES ECCENTRIC!
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