140 | ナノ

BeCo.
@Morgen-BeCo.
140字で書くSSを置いています。余裕があれば取り扱い3CP/一日アップします。
BeCo. @Morgen-BeCo. 2015年12月11日
高校の終わり、どうするのか聞いたら阿部君はいけるところまでって答えた。
いつの間にか社会人になり今もオレの隣には彼がいる。
潮時かなって思う時は何度かあった。でもその度にまたオレの手は待ってたみたいに彼の手を取る。
きっとそういう毎日が、最果てに繋がるんだ。
「膨張する最果てへ」
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BeCo. @Morgen-BeCo. 2015年12月11日
ちょっと仕事で部屋を開ける事になった。何が心配って、ほとんど住んでるくせに家事を任せられない彼の事だ。
ある程度の覚悟はして最終日、彼からの電話に出たら、来たって一言。
顔を上げたらそこに彼の姿。気まずそうにするから、じゃあもう一泊しようって誘った。
「鉄の羽根ならどこまでも」
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BeCo. @Morgen-BeCo. 2015年12月11日
あれは悪魔に程近い。黒衣の裾を翼の様に広げ、舞い降りては化け物を殺してゆく。
腐った返り血で白い頬を染めて、オレを見留めるや嬉しそうに目を細める。
心底幸せそうの上手な笑顔。けれどそんな彼は知らないとオレが逃げたから、あの子は本当の悪魔になった。
「天使の微笑みで黒い翼を広げる」
※バイオネタ
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BeCo. @Morgen-BeCo. 2015年12月11日
目を冷ましたら鼻先に光がちらついた。
否、この柔らかな癖っ毛は三橋の髪だ。朝の白い光が射し込んで、薄茶の色を本当に薄め色々の光を依ったものに変えている。
見とれた阿部は、起きるのをやめた。実は気に入りの癖毛を梳くように抱き締めて、再び幸せの夢へ落ちていった。
「同じ朝に包まって」
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BeCo. @Morgen-BeCo. 2015年12月11日
あべくんが来てから毎日たのしい。仔狐三橋は雪の積もったのが嬉しくて彼と庭先で遊んでいた。
指や鼻が赤くなるのも構わずにいたら、彼が言う事を聞かない三橋をひょいと掬い上げる。
そうして暖かの腕の中。小さな足跡は途切れたが、彼のそれにもう一人ぶんの重みを足した。
「切り取られた足跡」
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BeCo. @Morgen-BeCo. 2015年12月11日
白くて細い腕も器用な指先も、全てが言外に愛を囁く。
けれど撫でて可愛がるより抱き締めるより、この腕は捕まえる事を易くする。
でも嫌いじゃないだろう。絡め取られて組み敷かれて、笑うお前を知ってるよ。
注いでやろうか?ほんのそれだけ、与えるのは得意なんだ。
「愛はもらうより注ぎたい」
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BeCo. @Morgen-BeCo. 2015年12月11日
「仕事」で外へ出たついで、持ち帰ったらしい花束が部屋へ生けてあった。
けれどその側には手折られた蕾が落ちている。不完全なものを排するように、花束は咲き誇る大輪しかない。
なんとなくその蕾を拾い上げた。
未練がましいオレの姿を、赤く咲いたお前はどう思うだろう。
「零れた蕾を集めて」
※バイオネタ
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BeCo. @Morgen-BeCo. 2015年12月11日
それは一体どんなふうなんだろう。
阿部君の目は黒い。光が差すとやっと本当は焦茶なんだってわかる色。
オレのとは違う。だからきっと見えるものも違う筈なんだ。
教えてって言うのは簡単だ。けど欲しいのは言葉じゃないから、オレは彼に手を伸ばす。
「その瞳に映るのはどんな世界か教えて」
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BeCo. @Morgen-BeCo. 2015年12月11日
「その瞳に映るのはどんな世界か教えて」
「零れた蕾を集めて」
「愛はもらうより注ぎたい」でabmhの140字文はいかがですか?

「切り取られた足跡」
「同じ朝に包まって」
「天使の微笑みで黒い翼を広げる」で阿三の140字文はいかがですか?

「鉄の羽根ならどこまでも」
「膨張する最果てへ」
「追いかけて、追いかけて、それでもまだ」でアベミハの140字文はいかがですか?
shindanmaker.com/441945
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BeCo. @Morgen-BeCo. 2015年12月8日
最近急に阿部君と触れたくなる事がある。
部活の時みたいに手のひらを重ね合わせたり、手を繋ぎたくなる。
リラックスの条件付けってこんなときまで起こるらしい。
それが違うらしいと思ったのは昼下がり。
無防備の襟元から覗く首を撫でてみたいと思ったのは、ただの欲だ。
『最近の発作です』
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