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2014 7th Sep.
○ さよなら未来
【高校生と高校生】
花井とするのはすき
オレたちはいっつも部室でしてるから、オレんちはすぐそこなわけで
だからたまに中で出したら、そのまんまちょっと我慢してる。
「田島、だいじょぶか、」
「へーき」
ウチすぐだしね。
遅くなっちったから寄り道せずに送ってもらって、すぐ風呂に行く。
シャワーの蛇口ひねったら、排水口に向かって流れてく、水に混じる白いもの。
なんかそれ見たら泣けちゃったんだ。
そんで、次の日花井の顔見たら、やっぱ泣けちゃったんだ。
「えっなっちょっななななんか、ごめん!」
「いやこっちも、ごめん」
だってさ
女の子だったら、あれは絶対妊娠してたと思うんだ。
でもオレは違うから、流すだけ。
オレが女の子だったら、あれは生まれて来れたのに。
排水口に流れてくあれが、死にたくないって言ってたみたいで。
悲しかったし、怖かったよ。
オレが受け止めきれなかったばっかりに、あれは流れてったんだ。
かわいそうだね。
あれも、オレも、花井も、みんな、きっとかわいそうなんだね。
―― Never.
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