*刹那の攻防

太陽が私たちの真上に差し掛かる少し前、お気に入りのソファーに腰掛け、腕・足共に組んで目を閉じているベオウルフに私はゆっくり近付いた。


起きているなら目を開ける距離まで近付いても微動だにしない。
傷跡の薄く残っている彫りの深い顔をしばらくじっと見つめると、彼の肩と組んでいる腕にそっと手を置き顔を近付けた…自分からこんなことをするのは初めてだわ――





寝ているわけじゃなかった。
ただ、夜番明けでオイフェやシャナンの乗馬練習に朝っぱらから付き合わされたもんだから、じっと座り目を閉じていた…少し疲れたけど寝るにはちょっと…という時は昔からそうしていた。


と、微かな足音とふんわりとした気配、そして毎日嗅ぐ香りが近付き、ラケシスがすぐそばに来たのはわかったが、気付かぬ振りをしていた。


顔に視線を感じ、思わず心の中で苦笑する。
ンなにじっと見る程のもんか?
そう思っていると肩と腕に柔らかく触れるものを感じ、ラケシスがさらに近付く気配がした。
息が顔に掛かるくらい近付くのを感じると俺は片目を開けた。




声が出そうになるのをやっと抑えながらも、顔を近付けるために傾けた体を起こすことも出来ずに私はただ固まってしまった。頬が熱くなり、言葉も思い付かない。


「してくれないのか?」


『何を』という部分を抜かして問い掛けるベオウルフは組んでいる腕をほどこうともせずにじっとしていた。

ならば、とベオウルフの肩と腕に置いた手に力を込め、目を閉じてさらに顔を寄せた。
力を込めたのはベオウルフに捕まらないため…捕まったが最後、一瞬ではすまなくなるから――




肩と腕に置かれたラケシスの手に力が入り、上気した愛らしい顔が近付いてくる。
せっかく向こうから仕掛けてきたのだから、一瞬で終わらせるのももったいない気がした。


さて、どうしてやろうか。




●END●




一瞬でいろいろ考えてます、この二人(笑)
一緒に暮らし始めて間もない頃という設定ですが、自分で描いた拍手イラストに自分で話まで付けるなんて、正に自給自足…どうしようもないですな(--;)

『この後』はご自由に妄想像してください…にしても、まだお昼前ですよ、ベオさん(笑)











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