心配で太らせようとする杉野要(ボツネタ)
2020/08/27 17:19
夢主=○○表記
以前から、平均より小柄な少女だとは思っていた。
彼女との会話の最中も、ふとした瞬間に手や首だったりが目に入って「本当に小さいな」「華奢だな」と再認識する事も少なくなかったが。
「このままだと大変だ」「どうにかしなければ」と、杉野要が強く意識するようになったきっかけは、階段を踏み外した○○を偶然廊下を歩いていた要が慌てて受け止めた時だった。
要は今だかつてない衝撃を受けた。
――――――は?……いくらなんでも軽すぎないか……?
という感じに。
……○○が落ちたのは、軽傷では済まないような高さの階段からだ。そんな所から落ちれば当然受け止める方にもそれなりに負荷がかかる。
にも関わらず要はすんなり彼女を抱き止め、このままスクワット百回でも出来そうな余裕さえあった。
警護する立場として、○○の最低限のプロフィールである身長・体重は知っていたが。そういえば、慣れない環境に対するストレスからか最近の身体測定では3kgも減っていたのを思い出す。
――それにしても××kgとはこんなに軽いものなのか……。
この年になってもまだまだ学ぶ事は多い。
「す、杉野さん……ありがとうございます」
人一人抱き上げた状態で思考を巡らせる要に
、○○が怖ず怖ずと礼を口にした所でようやく要は我に返った。
彼女を床におろす時、肋(あばら)の辺りにも触れてしまったが、感触がはっきり分かるくらい浮き出ている。
……そういえば彼女の今日の昼食は何だったか。確かクリームパンを一つ頬張っていた気がする。飲み物は水筒に入れたお茶だった。あれぐらいでは精々300カロリーから350カロリーぐらいだろう。
そして昨日は、野菜ばかり詰まった自作弁当を食べていた。肉は鶏肉のみだった。ダイエットではなく節約料理という感じだったが……あれだと150カロリーもいかないくらいか。
同じく育ち盛りの恭太郎なんて○○の前ではぶりっ子して燃費が良い風に装っているが、コンビニ弁当三人分を余裕でペロリとたいらげてしまうくらいなのに。
同じ年代とは言え男女を比べるべきではないにしても、あまりにも差がある。
……駄目だ。このままだと成長期に必要な栄養が足りず、更に痩せ細ってしまう。
○○の健康の為にも、太らせなければ!!
……と、クールな顔をしながら使命感に燃える杉野要は自覚はないが、○○に対してわりと過保護だった。
そして大胆だった。
翌日から早速行動を開始した要は脂質が高いだけの菓子類などは避け、ちゃんと一日の栄養の配分を考えて食べ物を用意した。
場所を問わず目が合う度に駆け寄り、特に説明もなく「どうぞ」と差し出されるそれに○○は戸惑いつつも受け身な性格故に拒まなかった。
「えっと……いただきます」
今日は林檎だ。勿論皮は剥いてある。それも兎型に。
シャリシャリと音をさせながら頬張る顔は、控えめに言っても可愛らしい。もぐもぐとしっかり咀嚼して、ごくんと白い喉が上下している。
前に夕食に蕎麦を食べさせた時の、少しずつ麺を啜る様子もなかなか込み上げてくるものがあった。
そんな風に食べ物をあたえ続けて一ヶ月。
○○はいい具合にふっくらとしてきた。
若干こけていた頬が緩やかな曲線を描き、尻や胸囲は一回り近く大きくなった気がする。よく紅雄がチラチラ盗み見ている。
不健康に太ったのではなく健康的になり、最近みづ梨が「抱き心地最高!」と、よく○○に抱きついている。
羨ま……ではなく、いい傾向だ。
だが一つ想定外な事が起きた。
○○がダイエットをすると言い出したのだ。
××××
多分拍手文にしようとしてそのままになっていたやつです。が、名前変換する用に執筆しているような痕跡はあったので……どういうつもりだったのか謎です。
杉野さんって何となく、ちょっとふくよかな子が好きそうですよね。
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