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起きた時間は昼、昨日打った背中がジンジンと痛む。頬はヒロトが保冷剤を当ててくれたお陰で少し赤みがかかっているけど気になる事はなかった。
リビングへと足を動かすと机には昨日母親が置いていったお金なのか、ー…つまりお小遣いがお弁当と一緒に並んでいた。
お金の管理はヒロトに任せているため私は特に何もしてない、
料理も掃除も、家事のほとんどヒロトがしてくれる。別に頼んだ訳じゃないのにいつの日からかヒロトがするようになっていった…いつだったからだろう。
もうなにも憶えてない
携帯が鳴り私は電話に出る。
会話が終わると私服に着替えて家を出た
学校に行く気はもうない
今からは私の偽造の愛をあげにいくだけに歩く
『ん、ぁあ…ふっ……』
ベットのシーツはもう既にぐしゃぐしゃになっている程体を反らした、ふかふかのベットで背中は痛くない
私の上の雄は何か言っているけれど聞かない、聞こえない。
心は無にしておく、頭の中は何も考えてない、生理的な涙が頬を伝う
『好き……好きなの』
こう本人に伝えられたらどんなに楽なんだろう。けれど、伝えたらきっと彼は私の前から消えるの。居なくなって、私は本当に1人きりになるの
愛の無いセックスは悲しいかもしれない、穢いかもしれない。
それでも私はこの行為をしてる間は何を言っても良いの、相手は笑ってキスをしてくれるから
私の首筋に柔らかい痛みを着けて肌に薄い赤跡が映る
誰だって良い、私の隙間を一瞬でも埋めて。
激しくなった行為に私は2度目の高潮を味わった。
汗が額から胸へ、胸から足へ滴る。私の体と愛を買った人物はベットに10万を置いて帰っていった。
体と愛は、買える。
これを始めた最初にこう感じた。
体は本物を手に入れられる、愛は偽造物で偽造物なんか意味がないかもしれない、それでも偽造物で満たされる人も居る。
私や、こうして買い求める人間達のように。
世間では私たちを嫌う、そして穢いとあざけ笑った
Scarlet lady
(売女)
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