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家に約1ヶ月に1回ぐらい帰ってくる母親は私を見る度私を打つ、そしてヒロトが庇う。
ヒロトの言葉で目が覚めるのか
母親は目的のお金を無駄に多く置いていく。
私は親に生かされている、
それに変わりはないんだ



ヒロトは自分より先に私を心配し頬に保冷剤をタオルで包んだものを当てた。
ひんやりと冷たい温度が私の熱を冷ましていく



大分熱が冷めたと思ったら私はヒロトの手から保冷剤を取ってヒロトの右頬に当てる


『なんでまた庇ったの?』

「……ごめん、」


ヒロトは何もしてない、
だから何も痛い思いをしなくてもいいのに、いつも私を庇っては私と同じ痛みを味わって。そんな思いをしてほしくないから
私が打たれても何も関わらないで、と言っているのにいつもそう同じ行動の繰り返し。

そんな彼の優しさ、嬉しくて辛い


『ヒロトは痛い思いをしなくていい……だめだよ』

「そんなの、出来ない」


じっと私の目を見つめてくるから、反らした。きゅう、と胸が詰まる、苦しい。


最初は何で母親が私だけを打つのか悩んだ。嫌われているのかな、とか幼かった私は必死に答えを求めて探しても探しても見つからなかった、だからいつかは忘れてしまったけれど求めるのはやめた。

我慢すればいい、私が我慢すればいい、痛みを我慢すれば、時は過ぎてくれる、どんな時も過ぎて、終わるんだ。


「そんな表情しないで……ねえ、どうしたら……」

『……?』

「何でもないよ、もう寝なよみなと」


疲れてるでしょ?とヒロトは笑った。言いかけた言葉が気になる、けれど深く問う事はしなかったそうして良いことなんて1つも無かったのだから


首でコクリと頷くと私は部屋に戻った。




Who needs me?
(誰が私を必要としますか)




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