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体が重い、ダルい。気力が抜けていた。
私は真っ白なYシャツを着ていた、
ヒロトの香りに包まれている、それだけで安心する
ヒロトが居ると思い込んで隣を見たが居ない、
学校?否、だって制服が掛けてある。
何処に行ったんだろうと体を無理矢理起こして
立ち上がった、痛い。

「あ、みなとおはよう」

ニコリといつもの笑顔、胸が苦しくなった
チロリとリビングの時計を二度見した、今は12時
ヒロトが寝坊だなんて今まで無かった事だし
…きっとわざと行かなかったんだろう
私のため、かな

『ヒロト、学校は?』

勘づいたけど聞きたかったヒロトの声で、言葉で。

「みなとを置いていけないよ」

ゆっくりヒロトは近寄り、私の頬を撫でた
びくん、触れられただけなのに反応してしまう
言葉にも、行動にも、私の体はヒロトで浸食している
干渉してはいけない、のに私は溺れている間抜けな魚

『…ごめんなさい』
「なんで謝るの?」
『今まで…何も考えてなかった、逃げてたから…』

今までの私の行為は我儘で嫌な事から逃げた子供のような考えと行為で、温かさなんてもういらない、
そもそも温かさなんて味わったことがあるのだろうか?なんて思ってた、けれど私は気付いてなかった、
1人だけ、嫌、1人でいい。
大切に思ってくれてる人が居たんだと。
温かさを認めなくて、自分から可哀想な子になっていただけなんだと。

「……じゃあ約束して、俺以外頼らないって」
『え……?』
「寂しい時も辛くなった時も俺を頼って、俺しか頼らないって、どんな時も埋めてあげるから」

真っ直ぐに言われて今度は高鳴った。
信じたい、信じたい、こんな気持ちは初めてだろう
だけど、私達は悪魔で兄妹だ、少し気が迷う
私がヒロトの言葉に頷いたらヒロトまで
私の重味の道連れになってしまう、
それでもヒロトは自分から契約を持ち掛けた、
私の重味を半分持ってあげる、と。

考えは頭の中にぐるぐる回った、
なのに勝手に頭を縦に振る。
嗚呼私は結局自分に甘く、狡いんだ
甘味料を欲しがってる、
でもこれは、私だけでは無い、思い込んで


そっと問い掛けた。



Am I wrong?
(私は間違っていますか)





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