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プルルルル

午後8時
携帯が制服のポケットに入ったままだった事に気付く
慌てて取り出すとディスプレイには晴矢の文字。
出たくない、けど出ないと携帯はきっと鳴り止まないだろうと開いて通話ボタンを押した。


[なんで何も言わずに帰った!]


いきなり晴矢の怒鳴り声にキーンと耳が鳴り
思わず涙ぐんでしまう


『なんでもない…よ、忘れてたの!』
[嘘付くな、声が震えてる、何か合ったんだろ?]
『な、なんでもない!震えてないっ!』
[じゃあなんで先に帰った、
また倒れたらどうすんだよ!]
『う、ぐっ…べ、べつに晴矢に伝えなくても良いじゃないっ、ヒロトに伝えた…から!』


負けじと声を張るが、やっぱり私。
晴矢の威圧には耐えれないんだ。
昔から、そうだったもの


[…ヒロト、伝えられたのか?]
[えー?知らないなあー]


ギクリ、ヒロトが傍に居ただなんて何で勘づかなかったんだろう。何だかんだでいつも傍にいるのにあの3人は。



[……今から月子の家行く]
『や、やだ!来ないで!』


プチッ、ツーツー
電話が切れた音。
…いいもん、来たって家に入れなければいいんだ

今は会いたくない、絶対に意識しちゃって晴矢の顔も見れないに決まってるし、今日だって晴矢を意識してまた変な雰囲気になるのが嫌だから先に帰ったのに、これじゃあ意味ないよ。

しかも私の弱い意思で晴矢を家に入れない…つまり無視、居留守出来る根拠なんて無い事に気付く。

ハアとため息をつくとまた携帯が鳴る。
ビクッと反応し、そっと携帯を見るとディスプレイにはレアンと表示されている。
あれから、レアンちゃんとかと仲良くなって連絡先も交換していたのだったことを思い出す。
そうだ…居留守出来る根拠が無いのなら留守にすればいいんだよ、うん。

通話ボタンを押す。


[月子ー電話してみ…]
『レアンちゃんお願いがあるの!』
[ん?良いよ?]


用件を伝えて電源ボタンを押した後、私は急いでバッグに服やら必需品を詰め込んで家を出る。

なるべく晴矢の家の方向がわにならないようにレアンちゃんの家へ小走りで向かった。




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