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あれはきっと4時限ぐらいだった。
ヒロトからメールがきた。
その内容は
話があるから昼休み屋上に来てね、だの事。
不本意すぎて嫌で本気で行きたくないが
行かないと行かないで、
もっと嫌な事が起きるに違いないと思い、
予鈴と共に俺は屋上へ向かう。
屋上の重いドアを開ける


「やあ晴矢」
「遅い……」


相変わらず気持ち悪いくらいの笑みのヒロトと、
文句を言いながら俺を睨む風介が居た。


「お前らがはえーんだよ…」
「俺らはサボりだからね」


やっぱりかと溜め息をついて屋上の冷たいコンクリートに腰を下ろす。
するとヒロトが口を開く


「晴矢はまだ気付かないの?」
「何を」
「月子の様子に」
「あー…何か俺を避けてるような気はするけど
それがどうした?」


俺の言葉に眉間に皺を寄せた風介
何なんだよ。


「それにさ月子が気にならないの?」
「まあ、少しは。俺なんかしたかなとかぐらいは」
「晴矢さ、俺の前の話聞いてた?」
「前の話?」
「本当馬…あ、滑った」
「今何て言おうとしたてめえ」


俺が睨むとヒロトは軽く咳をしてまた笑った。


「晴矢は月子が好きでしょ?」
「お前らもだろ?」
「異性として」
「は……?」
「晴矢が月子を見る目と
俺らが月子を見る目は違うって事だよ」


頭から何かを探すように考えてみる
俺は月子をどう見ているっていうんだ


「まだ分からないか…晴矢は月子の事大切?」
「…当たり前だ」
「月子を支えて行きたい?」
「ああ」
「一生守っていきたい?」
「そりゃあ…」
「独り占めしたい?」
「あたりま…って何さっきから恥ずかしいこと、」
「それが俺達と違う意見、意識したでしょ今?」


ビシリとヒロトが指差す

そうだ、俺はヒロトと風介が月子にベタベタくっつくのが嫌でイライラしてた時があった。
触るな、とかくっつくなとか。

月子が泣いてしまった時は
俺が一生守ってきたいと思った、
大切にしたいとだって。
これが、そうなんだな




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