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今日のお昼休みは何故か晴矢がいないので
秋ちゃんとお弁当を食べるいつもは購買へ行って
そのまま帰ってくるんだけれど……。
それにヒロトと風介までもいない
ちょっとだけ、寂しい。


「秋、今日は部活ないんだよね?」
「うん、先生の会議かなんかでね」


でも一之瀬くんや土門くん、
それにキャプテンの円堂くん達サッカー部のみんなは
相変わらず居る。
一之瀬くんと秋ちゃんの会話にピクリと反応した
ていうことは晴矢達と久しぶりに3人で帰れる。
サッカー部のみんなには悪いけれど少し嬉しい。
練習を見ているのも好きだけれど、
晴矢達と笑って帰れるのだ。
普段は疲れたーとか言って
ヒロトは話してくれるものの風介は黙り込むし、
晴矢は立ち寝するし。


「佐波なんかニヤついてどうしたんだ?」
『な、何でもないよ!』
「晴矢くん達のことじゃないかな?」
『あっ、秋ちゃん!!』


自分の言葉や思ってる時に晴矢、と言うのは大丈夫なのに秋ちゃんや他の人に晴矢、と言われると胸が熱くなる。
ヒロト達はこの症状をなんの事か教えてくれないし
いっその事、良くお世話になってる秋ちゃんに
相談してみようかな…


『あのね、秋ちゃん』
「なあに?」
『最近ね、晴矢の事考えると胸が熱くなったり
晴矢に名前呼ばれると何か急に吃驚したりする、
この症状ってなにかな…?』


ヒロト達にも聞いたんだけれど、と付け足すと
秋ちゃんは一瞬驚いた顔をしたが
直ぐにニコリと笑った。


「月子ちゃん、それは恋って言うんだよ」
『こい?』
「うん、晴矢くんのことを友達として
好きっていうことじゃなくて異性として
好きってことなの」


異性って男と女。
異性が好きになるのが恋?


『わ、私ヒロト達も好きだよ…
優しいし、いつも笑わせてくれる』
「ヒロトくん達に晴矢くんと同じことされて
同じ症状が出る?」


うーんと考えてでない、と呟くと
また秋ちゃんがニコリと笑い、私の胸を指差す。


「それが晴矢くんだけにある月子ちゃんの特別な気持ちが恋だよ」


なんだか新鮮だった。
いつのまにか晴矢だけに
特別な気持ちを持ってるだなんて。
ヒロトだって、風介だって、
同じくらい好きだと思っていたのに。

いつのまにか晴矢だけ、が特別になってたんだね。

だから、私は晴矢に意識してしまうんだね。


すぅっと胸のモヤが消えてく感じがした。




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