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フラリ、月子の体が揺れた。
倒れなかったがそろそろダウンしてしまう合図
まだ見ていたいけど、それは出来ない。
俺が止めないと。


「月子!!」


俺が月子を呼ぶと、ビクッと体を揺らした。
怒られるとでも思ってるんだろう。


『は、晴矢……』
「帰んぞ」


月子の手を引っ張り連れていこうとすると
なかなか進まない。
振り返るとさっき月子とサッカーをしてた子供達が月子を掴んでいた


「ちょっとおにーちゃん、おねーちゃんを連れていかないでくれる」
「まだ教えてもらいたいことあるんだよ」


何か俺が悪役みたいに睨まれてるじゃねえか。


「月子は体弱えーからこれ以上出来ねーの」
「………そおなの?おねーちゃん?」
『あ、…うん』


何だこのガキ。
俺と月子に対する目付きが全然違うじゃねえか
押しに弱い月子は目を虚ろにして答えた


「…じゃ、おにーちゃん教えてよ」
「はあ?」
「おねーちゃんは出来るのにおにーちゃんは出来ねーの?」


出来ないのー?と子供達から何だか攻められる。
それに何だかイラッとくる俺。
サッカー部でしかもレギュラー入りの俺が出来ないのー?な訳がない。



「誰にいってんだよ俺はサッカー月子の倍ぐらい得意なんだぜ?」
「じゃあ俺らに教えてくれるよな?」
「上等だ、優しくしねえぞ俺は!」



俺は目的を忘れて子供達にサッカーを教える。

月子が後ろで笑っていた。




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