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「晴矢、そんなに急いでどうしたの?」


部活の練習も終わり、サッカー部一同揃って帰る準備をしている中、ヒロトが声を掛けてきた。
隣には風介も立っている


「ちょっと寄る所があるんだよ」
「月子の所かな?」
「あぁ…って何で知ってんだよ!!」
「晴矢の事なら何でも知ってるよ俺は」
「うげっ……」


俺がおもっきり嫌な顔をするとヒロトは照れなくても良いのにだそう。
別に照れてない、お前に言われても嬉しくなんてない寧ろ気持ち悪りぃ。


「ねぇ晴矢はさ、何でそんなに月子にサッカーを関わらせたいの?」


ヒロトの言葉で思考が止まる。
いつも笑っている
ヒロトの視線が痛く感じる


「俺はもう嫌だよ、自分の勝手な意見だけどね、月子が苦しむ姿を見たくないし、月子がサッカーに関わらないと思ったならそれで良いじゃないか。」
「……そ、れは」
「それとも晴矢は月子が居なくなるのを予測するのは大丈夫なんだね?」
「ヒロト…言い過ぎだ」


今まで口を開かなかった風介がヒロトを睨む。
確かに俺は、まだ月子にサッカーをしなくても想っていてほしい、でも月子は、それだけでは辛いだけだ。
俺はやっぱりこう思うのは間違っているのか?


「…俺も晴矢の考えは分かるよ、でもさそれ以外に何かある。」
「何か……?」
「うん、月子にサッカーを関わらせたいのは何で?」
「忘れてほしくないから?」
「何で忘れてほしくないの?」
「……は?」


さっきからのヒロトの疑問を返していくうちに俺も疑問で返してしまった。

何で忘れてほしくないのか………。



「俺は、昔から3人で楽しくやってきたからサッカーを今も続けてる、それはヒロトと風介と月子が居たからで……誰かが忘れるなんて事してほしく、ねぇんだ」
「晴矢らしいなあ、でも俺らから見たら晴矢が月子に対する態度は違う、晴矢は気付かないだろうけどね」
「…何が言いたいんだ?」
「晴矢は月子が好きで、大切に思っているからこそ忘れてほしくない、でしょ?」


ヒロトに人差し指を差される。


「…俺さ晴矢の馬鹿な意見聞いたら、分かっちゃった」
「馬鹿……てめぇ、何が分かったんだよ」
「素直の間違いだね、晴矢頼むよ、月子にサッカー忘れないように言ってあげて」


そう言いヒロトは俺の背中を押してくれた。



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