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そう自分に言い聞かせた時に晴矢に抱き締められた


『ちょっ…晴矢、やめっ、』


抵抗する私を意地でも離さないように力強く抱き締める。
じたばたと体を動かしても離さない。
それ所か抵抗すればする程強くなっていく
でも、抱き締める腕は優しい。


…やめて、やさしくふれないで。
つらいよ、かなしいよ
むかしのように、私は大きな声で叫べないの。

感情のまま、泣けないの
温かく、いまは泣けない


それでも、泣いても良いの?

大きな声でがむしゃらに泣いて、無計画で行動して、気持ちを投げつけてもいいって思ってもいいの?


『サッカーなんてしなきゃ良かった』
『サッカーを好きにならなければ晴矢達と関わんなかった、
……晴矢達と、離ればなれにならなかった!!』
「…………っ。」
『どうしたら、いいの!?』


分かんない、わかんないよ。
何に従って、何に逆らえばいいかだなんて。


『私は、私の気持ちを優先したら壊れる』
『私は、私の体を優先したら出来ない』


箱の鍵が粉々に砕けた様に夢中で問い掛けた
涙なんて、止まらない


『もう、疲れたよ』


晴矢の肩に頭を傾ける
いつまで期待して、いつまで裏切られればいいのかな。


「月子………」


彼が私の名前を呟く
晴矢の肩には私の涙で滲み跡が出来ている
あったかい彼の体温
優しさが偽物じゃないのが伝わってくる。

晴矢まで、私のせいで
辛い感情を味わってしまった


『晴矢、ごめんね』
「……いいんだ」
『もうちょっとだけ、このままで居させて』


頷いた晴矢の首の動き










ゆっくり瞼を閉じた。



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