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1〜3時間目の授業が終わり4時間目。
勉強には何とかついていけそうで良かった
それにしても晴矢が意外と勉強が出来て
結構驚いてしまった。
何か、悔しさが残る


『お腹減ったなぁ…』
「体小っせーのにもうかよ」
『食欲は体に比例しないの』


ポソリと呟いた私の一言を晴矢に聞かれてしまう
隣にはジャージ姿の晴矢
4時間目は体育だ。
私は見学する事にした
神様は意地悪なのかな
…サッカー、やりたいけれどな
春の風は暖かい。


「俺の勇姿、見とけよ!」
『うん、頑張って!』


さっきまで休憩の為に私の隣に居たが
クラスの人に呼ばれてフィールドに行った
…晴矢がフィールドに立つと全体のプレイ時間が遅く感じてしまう。
あんなに速く、ボールを繋げて、シュートを入れる


「月子ちゃーん、タオル取ってもらえるー?」


隣のフィールドでテニスをしているクラスの女の子が私に言う。
皆、気軽で優しいなあ。
私は、はーいと返事をして小走りでタオルを掴み持っていく。


「月子っ!!」


晴矢の私を呼ぶ声。
フィールドなのにと感じ振り向くとボールが私に襲いかかってくる。

人からは速く見える光景
私からは遅く見える光景

フワッと体が浮く。
憶えてる、前にもあった
回避するための、術。

一回転し足でボールを蹴る
ダンッと地面に着地。
皆が息を飲んだ静寂に
ネット音が空に響く


『ふぅっ……』


私の体がボレーシュートを打ったために
ボールは有るべき場所に戻る
意思なんてなかった。
これはきっと本能。


「……!月子っ」
『はる、や……』


晴矢が私に駆け寄って来る
実感が、ない。
私がまだサッカーを
憶えてるいただなんて
必死で忘れようとした、
もうしないと決めた。
だけど私は忘れれなかった

あの楽しさを。


「体、大丈夫なのか!?」
『平気、それより…』
「またサッカー出来るな」


涙が出そうになった
閉じ込めなくても、いいのかな。
好きだから、したい気持ちを


『うん!!』
「…よし、じゃあノーコン野郎連れてくるぜ」
『え…まっ、晴矢!
怪我してないから良…』




晴矢の後姿を止めようとしたが時遅し。
ため息を吐いて項垂れた






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