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3人と話しているのに夢中で
何だか前行った時より早く
学校が見えて来た

しかし何でか周りに登校中の
生徒が見当たらない…


『ねぇ、何か誰も居ないよ…?』
「あー月子、転入生でしょ?
だから生徒が全然通らない近道なんだ」
『へえー…3人が見つけたの?』
「まぁな」


この辺住宅街だしね
気使ってくれたんだ
優しい3人は変わってない
そう思うと顔がニヤつく


「なに笑ってるんだ、月子」
『何でもないー』
「やらしー」
『そっ、そんなのじゃないっ!』
「図星か」
「…幻滅だ」
『ちっ、違うってば!風介も信じないでよ!』


ヒロトにからかわれたのが
大きくなってしまっている
それに講義するが、無視された
でも初日なのにこんなに笑えるのってこの3人のお陰なんだ。

校門間近でヒロトに腕をグイっと引っ張られバランスを崩しそうになる
何でか分からなくて思考が停止する


『ヒロト?』
「裏門からね、いろいろ月子も俺らも落ち着かないからさ」
『…………?』


私が落ち着かないのは分かるんだけど
3人まで?

…まぁ、いっか。
これからそのうち分かるよね

裏玄関から靴を脱いで
シューズに履き替える


「じゃ、晴矢。月子を頼むねー
月子またね」
「…また」
『あ、またね?』


ヒロトと風介は違う方へと
行ってしまった
晴矢は私の左側に立っている
見上げると目が合う


『行っちゃったね』
「すぐ会えるじゃねーか、悲しそうな顔すんなって…」
『えっ、してる??』


ペタペタと自分の顔を触る
癖になってるのかな……
晴矢の後を着いて行き、階段を上がる


「月子は俺と同じ組で担任に
頼まれてるんだよ」
『晴矢と一緒なんだ!嬉しいなぁ』
「…っ、分かったから言葉にすんな」

晴矢はガシガシと頭をかきながら言う


『だって嬉しいって気持ち分かって欲しいじゃない』
「顔に出てるから分かるって」
『そんなに顔に出てる?』
「丸見え」


丸見えって…
何か嫌だなぁ

一つの扉の前に止まると晴矢は
ドアを開けて誰かを呼んだ
扉の札には職員室と書かれている

晴矢が私の方を向いた


「じゃ、また教室でな」
『え!?晴矢はっ?』
「俺は転入生じゃねぇって」
『あっ…そっか』


一気に心細くなる
肩を下ろして脱力した後
晴矢は私の頭をポンと撫でると
後ろ向きに走っていった



……少し元気でた




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