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続いて風介がヒロトから月子を剥がし取り、同じようにいきなり抱き着き始めた。


『風介だよね?』
「………あぁ、私だ」
『また会えて良かった』
「私もだ」


月子は笑顔だが、ヒロトより力強く抱き締められているみたいで我慢してる様子。

俺は急いで月子を取り返した。
風介はギロリと無言で睨む


「月子がすげえ死にそうだったんだよ」
「……そうなのか?」


俺の言葉をすぐさま聞き取ると睨んでいた目を戻して月子に問い掛けた


『ちょっとだけ、でも風介に会えて嬉しかったから平気だよ!』



笑顔で言い返した月子。
……何か、またすっげぇ腹立つ。

とりあえず、学校に向かいながら話す事にした
風介は月子に後ろから抱き着いた状態
ヒロトは月子の右側で腕を組んでいる状態
俺は左側に並んで歩く
すげぇ歩きずらそう
注意したが、月子が大丈夫と言い切るもんだから
行く者、来る者が振り返っては見て
俺はひたすら溜め息しか出ない。


「月子、体は大丈夫なの?」
『うん、完全じゃないけど昔よりは平気なの』
「…一緒にサッカー出来るのか?」
『んー…やってみないと分かんないけどある程度は動ける体だよ、
さっきだって走れたし!!』


質問攻めというべきか。
でも月子が楽しそうだし、良いか…とは思っても何故だかもやもやする

…何だ、さっきから。


「いつ来たの?」
『2、3日ぐらい前かな』
「っていう事はまだこの辺知らないね、今度遊びに行こうよ」
『わぁ、本当?』
「…私とも。」
「そうだね、皆で行こうか!」
『うんっ、ね、晴矢?』


スラスラと進んでいく会話。
月子の声で気が付くと、そこには目がキラキラと輝いている3人。


「あぁ……」


適当に相槌を打つと、次の話題に移る。



それより何だか落ち着かない気持ちだ
何て言うのか分からなかった




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