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「おい、ここが月子の住んで居るマンションなのか?」


風介がまだ怪訝そうに俺を見ている。


「だからそう言ってんじゃねーか」
「どーかな、俺達まだ
信じれないんだよね」


ヒロトまで俺を疑い始める
…どんだけ俺は信用されてないんだよ
携帯をポケットから取り出し月子の電話番号に電話してみる。
プルルルルと高い音がしばらく鳴り続く


『はい、誰ですか?』
「…ふざけてんのか。」
『えっ……?』
「名前、携帯に表示されるだろ」


コイツは1日で人の声を忘れるのか
どきまぎしている月子の声が聞こえる


『あの、人違いじゃ……』
「南雲晴矢だ!」

名前を叫ぶと予想通りの声色になる


『あ、晴矢かぁ!名前言ってよ…ビックリするじゃない』
「会話にならねぇ…もう良い。
準備出来てるか?」
『うん、ばっちぐーです!晴矢のおかげっ』
「……わかったから下りてこい」
『はーい!!』


いきなりまたコイツは恥ずかしい発言をする
後ろを振り向くとヒロトが俺を見てニヤニヤしていた。


「なっ、なんだよ。今来るって……」
「いつ恋人が出来たの?」
「だから月子って言ってんだろ!!」
「まったく、手の込んだ悪戯だな」


風介はアイスを食べながら俺を横見する。
本当にムカつくな、コイツらは。

マンションの方から軽い足取りが聞こえ月子#が走って来るのが見える。
一気に風介とヒロトの顔付きが変わった


『はーるーやっ!』
「は!?」


月子はスピードを緩めることなく走って来て俺の胸に抱き着いてきた。
そして息切れをしてるのか呼吸が荒い。


「走って来なくても、
俺は置いていかねえって…」
『ふぅ、はーっ…だって昨日の事夢だったら早く覚めたいもん』
「意味わかん…」


その時、風介とヒロトが月子を俺から剥がすように離す。
そして先にヒロトがジーッと凝視し始めると月子に思いっきり抱き着く


「月子!月子だよね?」
『え…?あ、うん。ヒロト?』
「!!…俺、泣きそう」
『大袈裟だよっ、
でも憶えてくれてたんだね…』
「月子を忘れる訳ないって!」


ヒロトが思いっきり抱き着いてるせいで少し苦しそうな月子だが、笑顔だった。



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