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再会の喜びにも落ち着き
晴矢と一緒にベンチに座る
…それにしても晴矢が
覚えていたのは驚いた。
晴矢が覚えているならあの2人も
覚えていてくれてるよね。
小さな希望が大きくなった気がする


「#月子、お前いつからここにきたんだ?」
『あ…えっと2日ぐらい前かな?』
「連絡してくれよ……」


ハァと溜め息を吐く晴矢


『そんな事言われても、連絡機の使い方が意味分かんなくて……』
「連絡機……?携帯のことか?」


晴矢が自分のポケットから私と同じ連絡機を出した
色は違うけど形は同じ。


『あ、それ!どう使うの?』
「月子も出せ」


晴矢に従って自分の服のポケットから同じ物を出すとポチポチ素早くボタンを押し始めた。


「ほら。」


私の携帯が返ってきた。
それを受け取った瞬時に晴矢がズイッと私に近寄る


「これをこーして…
こうやってこれを押すんだよ、
って…聞いてるか月子?」
『……う、うん!』


気のせいかな、晴矢って実感はあるのに何故か意識してしまう。
私、可笑しいかな。


『あ、うん。もう分かったよ……』


私の言葉で晴矢は少し疑ったような表情をしたけど、私からスッと離れてくれた
それからコロッと私の心の絡まりが解けたように安らぐ。
………何だったんだろう


「家は何処なんだよ?」
『えっと……ね。』


地図を見せて指差す
晴矢の表情が一気に変わる


「ちょっ…おまっ、何処まで来てんだよ!」
『へ?』
「今居るところココだぞ!」


そう言って指差された場所は……嘘だ


『めちゃくちゃ離れてる……!』


縮小してある地図なので実際の距離は半端ないと思うけれど、これはいけない


「学校はいつからなんだよ?」
『……………明日です』
「ばっ、バカか!」
『ひうっ!』
「もう7時になるぞ!」
『そっ、そんなに怒んなくっても……』


怒鳴られて体が縮こまる
何か晴矢に怒られるのは違和感があるけど
やっぱり、やばいよね


「お前、体は大丈夫なのか?」
『あ、うん。まだ完全じゃないけど』
「ここまで来て疲れたからベンチに座ってたんだろ?」
『うぅっ………そうです』


晴矢はさっきから溜め息の嵐。
多分、ここから自分の家まで歩いて行くと一時間半は軽くかかりそうだよね…

しかも、私は歩くの遅いというオマケが付いてくる。



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