俺は結構、嫌、かなり嫉妬深いのかもしれない。さっきなんてジャンルカとマルコにキスされたマリナの額と頬は痛いと分かってる程、服で拭ったし何より現在の練習中なんてジャンルカはマリナに投げキッスを飛ばすしマルコが手を振れば照れくさそうに手を振り返すのだ。これにまでない苛立ちにマルコを殴りそうな衝動、だけど俺は平気顔、見栄っ張り。それに照れくさそうに笑うマリナは可愛い、今は免じて平然として置こうと思うがやっぱり俺はそこまで我慢強くないみたいでシュート練習の時にはプラージに本気でオーディンソードを食らわしていた、ああもう俺はまだ餓鬼だ。
練習が終わるとチームメイトは一斉にマリナの側に駆け寄る、アンジェロなんてむぎゅーっと抱き付いてるし。いくらなんでも俺だって俺だって、したいとか。ジャンルカなんて俺も、とか言って抱き付こうとしてて。アンジェロが触らないでよ、と言ったからいいけど。マルコなんてデートに誘ってる、ほんとに止めてくれ。おいパスタについて語るなマリナが興味をもってホイホイされたら困る、嫌だ、だめだ。
『フィディオ……?』
気が付いたら目の前には首を傾げてる彼女が居た。心配そうな表情にもまた可愛い、とか。
「帰ろうか」
『え…う、うん』
怒りが裏返ったのか俺は笑顔で解散、とチームメイトに伝えた。ジャンルカとマルコには睨みを利かす、睨んでないアンジェロは怖いと怯えている。俺ってこんなにも独占欲があるのか、な。出来ればマリナには触らないでほしいし我が儘を言えば俺以外と男とは喋らないでもほしい、これには相当俺は醜いんだろう。
彼女の手首を掴んで速歩きで練習場から去る、痛いと小声で言った彼女の言葉にも無視、悟ったのかマリナはそれ以上抵抗も批判もしなかった、ごめんと心の中で謝る。
早く、2人になりたい。
appello
(呼び声)
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