チュンチュンと可愛いらしい小鳥の囀りと窓から差し込む日差し、それにずっしりとくる体の重みはきっと飼い犬の体重だろう、……違う、我が家の飼い犬はチワワだ。こんなに重いはずがない、急にデブるなんてのもない。じゃあ何だろう、目を開けて視界をひらくのが一番最適な方法だが生憎私はまだ眠くてたまらないの、あと少々、目を開けるのが怖いのです。うげ、更に重みが増してぴっとりと触れ合う肌。あ、昨日暑くては下着姿で寝たんだった、それと肌が触れ合った時点で重みの原因は飼い犬じゃないことに気付く、うわもういやだ。
重みにも精神的にも耐えれなくなった私はとうとう視界を開けた、うわもういやだ、うわもういやだ。
「Chao!」
『ふざけんな、何故ここにいる』
「暇だし君の家来たらなんと下着姿で寝てる女の子が居て俺すごく得した気分だなぁ」
『頼む、帰ってくれサッカー少年』
あと女の子の部屋に無断に入るなこの変態紳士、だいたい親もいないと分かって入るフィディオはもう不法侵入、ポリスマンに捕まればいいんだ。
ばたばた体を捩らせるもののサッカーで鍛えた見た目とは裏腹に中身が筋肉質のフィディオの体重に叶うはずもないし、腰に跨っているし、ああもういやだ。
抵抗を止めたらフィディオはにっこりと笑う、やめてくれ視姦はそんなに楽しいのか。
『あのさ、私女の子なんですが』
「知ってるよ?」
『こうみえても恥ずかしくて死にそうなんです』
「え、そうなの?」
『そうなの!』
ごめんごめんとへらへらにやけながら笑うフィディオにゾッとした、変態すぎて。そして彼はまだ私の上からどこうとしない。
「おはよう」
フィディオの顔が近付いてきて頬にぷにっと柔らかいものが当たった、キス、だ。あ、どうしようものすごく胸が熱いの、火照っちゃうよ。
***
イケメンの変態は許される
100911