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とても心を惹かれた香りと感覚がしたから無我夢中で走ってみた、この時待って、とか行かないで、だとか言葉を発しればいいのに俺は馬鹿だ、大馬鹿だ。大事なことだから二回言いました。
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また走った、我を忘れて。特別に速度が速いとかじゃないのに、追い付けるわけないのに。きらきら光る深い青の瞳がチラリとこちらに向いた、そしてふいっと目線が反れた。気持ちがぐちゃぐちゃになって混ぜ合わせて混ぜ合わせて。坂道になったらキツくて息切れが激しい。今私は咳き込んだ、まだまだ行けるかなとかはただの後ろ目、だめだな私は。
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今回は良いスタートダッシュをしたと思う、そのまま速度を保った。だけど立ち止まるいつもと同じ香りなんだけれど、感覚が違った。何が違うかと考えたら気が付く、ああ俺は彼女の感覚だけじゃなくて全てに惹かれていたんだな。ぐるぐるぐるぐるとまわるまわる、見失った。どうなんだっていいや、もう一回もう少しで、何か見える気が止まなかったから。
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あ、あ、声は聞こえますか。今こそ私は声が掛けられる気がするの、心配で心配しすぎた間違い探しはもうやめた、息を吸って、成れの果てから出ましょうか。ぐちゃぐちゃの気持ちもぐるぐるの感触も回り続ける思考も棄ててみよう。思いっきり地面を蹴って君まで1.8meter。ふわりと体が浮いてべたん、痛みが走る。あ、あ、また駄目なのかなぁ、一気に言葉が失われて、息を吸った。そしたらすっと綺麗な手のひらが目に映って。
「ずっと、追い掛けてました」
息を止めるの、今。
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song ローリンガール より
100817