愛やら恋やら正義だの、意味分かんない、と隣でベッドにうつ伏せの君は呟いた。ねぇ、ヒロトは分かる?と尋ねられた。そんなの俺も分からないよ、と笑って言ったと思う。形の無い物だから証明しようにも出来ないし、脆くて傷付きやすいとの大証が付いてる、人間の勝手な言葉の創造物。誰が考えただなんてみんな知らない、忘れたのだそんな人物は。
『気持ちってなんだろうね』
「さぁ」
『何だか冷たいねヒロト』
「だって分からないし、」
君だって結局は気持ちを想定して言葉にしてるじゃないかと微笑して言ってしまった。彼女はふふっと微笑み、そうだねと髪をかき分けた。そのしぐさに体が熱くなる、艶やかで引き寄せられるから。彼女が俺の名前を口にしただけで一気に温かくなったりとにかく俺はもうたくさんの想いを味わって生きてきたんだ、きっとこの年月で5329個目、1日に1回、新しい気持ちを味わったと計算した。
これだけ考えて何だか疲れたから俺は彼女の隣ですやすやと寝息を立てたのだった、おやすみ。
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100817