「彼女ちゃんって基山くんと付き合ってるの?」


無意識に耳を傾けた、自分の前で語っている友人の話なぞ聞こえるわけない、後ろをちらっと見ると友人に詰め寄られている彼女の姿があった、相変わらず動揺すらしていなかった。ずきり、と胸が痛むのはもう慣れたと言ったら嘘になる。


『いや、普通に幼馴染みなんだけど』
「そうなの?全然見えないな〜」


確かにこの年頃になっていても一緒に帰ったり、ジュースを飲み回したりなど普通にしている幼馴染みなんて滅多に居ないと思われる、大体がお互いに好きな人が出来たりして離れていくのが風流だそうだからこそ問われるのは不思議ではないだろう


「基山くんカッコイイよね、ファンクラブまであるってきいたよ」
『ふー…ん……そっか、』

興味がありそうでなさそうな曖昧な返事、ああモヤモヤする。あ、たまごやき食べてることに気付いたあれは俺が教えてあげた、だし巻きたまごやきだ


「あんなカッコイイ幼馴染み居てときめかないの?」『ないね、カッコイイとか思ったことさえも』


ハッキリ言われた、こういう時は泣いてもいいんだろうか、いや盗み聞きしてる事態で俺は共犯者同罪なんだろう、でも今のは痛かった、女の子で俺にこんな事をバッサリと正直に言うのは彼女ぐらいだろう


「じゃあさ、基山くんがもし結婚して下さいって言ってきたら?」


ドキリ、今までこんなに心臓が口から出そうな程驚いたことはない、しかも付き合ってる訳でもないのにいきなりその言葉はないだろう友人A。


『良いと思う』


は?小さく声を漏らしてしまった、彼女の言葉が上手く聞こえなかったけれど確かに、そう言ったのだ。
いくら俺が彼女の事を好きでも彼女は俺自身の事をただの幼馴染み、だと答えていたからてっきり嫌だ、と返ってくると思った。
やっぱり彼女は想定外の返事を出す。


『ヒロトに愛されて生かされて死ねるなら私は最高に最後を迎えれる世界一の幸せ者だと思うんだもの』


ニッコリと彼女は笑って言った
彼女の友人に向けて笑いかけているのに何故か俺が笑いかけられている見たいで、顔がにやけた

カタン、浮かれすぎて持っていた箸を落としてしまった、彼女がこちらを振り返った時の赤面顔は忘れられない


ねえ、少しでも脈ありと思っていいかい?




リフレイン








***

フレインの続き
甘酸っぱいね!青春!
いくつの年頃かはご想像におまかせします


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